明治通りの渋谷・原宿間は絶え間なく若い人達が行き来している界隈である。この建物は、この繁華な敷地にTVスタジオをキーとし、メディア関係の企業を集約させる事で複合的価値が生まれる事を意図し、計画が行われた。 都心の広大な敷地を最大に活用するように1階にTV専用スタジオとイベント用ホールを兼ねた大空間-Aスタジオ(約200坪)を配し、そのサポート用施設をB2Fに配置した。9階には汎用性の高いBスタジオ(約80坪)を配置し、ここからは遠く富士山から代々木公園、代々木体育館等を眼前に臨むことが出来る。4・5・6階には外資系のCS放送局、7、8階にはゲームソフトのメーカーがテナントとして入居し、文字通りメデ2アのメッカとなった。
1階のエントランスホールは三層に及ぶ大空間に、渋谷周辺の都市パターンをモチーフとした光壁を設け、都市に開く建築のメッセージ性を強く表現した。
ともすると先端機能を備えたメディア関係のビルはハイテックなイメージになりやすいが、ここでは出来るだけ自然素材にこだわり、暖かい印象を与えるよう努めた。 特に外観では、隣地の寺社の静穏な雰囲気を守りつつ、明治通りに対して、今後成熟した街並が育成される事を期待し、割肌レンガタイル打込みのカーテンウォールを採用している。